『恋は雨上がりのように』感想~好きになる気持ちに年齢差は関係ない!


最近読んだ漫画が面白かったので、感想などを。

『恋は雨上がりのように』(作:眉月じゅん)は、『ビッグコミックススピリッツ』で連載中の漫画で、現在6巻まで刊行されています。

Kindle購入前にレビューを見てみたのですが、1巻の星評価が平均4.8って結構すごい…!
6巻まで高評価レビューが続いていたので、期待して読んでみたところ、まんまとハマって6巻まで一気読みしてしまいました。

内容はというと、クールで感情表現が苦手な高校生、橘あきらが、アルバイト先のファミレス店長、近藤正己に恋をするお話です。

17歳のあきらと45歳の店長は、なんと、年齢差28歳!
下手したら、あきらの親と同じくらいの年齢かもしれません。

自分の恋心にに迷いのない直球ストレートなあきらに対して、自分より28歳も若い女子高生からアプローチにされて、タジタジの店長が面白い(笑)

主人公のあきらがとにかく可愛らしい

主人公あきらは、長い黒髪を真っ直ぐになびかせた美少女。

ただし、もともとの目つきが悪さから、機嫌が悪いと時々勘違いされることも。
(恋の熱意を込めた視線ですら、「まるでゴミでも見るような目だったな…」と店長に勘違いされる始末。セツナイ!)

あきらは、高校の陸上部で短距離走のエースとして活躍していたものの、アキレス腱を断裂してしまい、それ以降陸上に復帰できずにいます。

一方の店長はというと、ファミレスでは客にペコペコ謝ってばかりで、昇進の話も無く、部下に何か言う時も強く言えない。
寝ぐせのついた頭には10円ハゲができているし、人前で大きなクシャミをするし、ズボンのチャックはしょっちゅう閉め忘れる。
どことなく頼りない印象の、冴えない中年のおじさん。

けれども、そんな店長のことが、あきらは大好きなんです。

そして、彼女の恋心の表現方法がまあ、非常に可愛らしい(笑)
教科書に「あきら×店長」で相合傘を書いたり。そして、それを他の人に見つかったり(笑)
同級生の男子やアルバイト先の仕事仲間には全く興味が無いあきらですが、近藤と接している時の顔は、完全に恋する乙女の顔なんですよね。

何この子、可愛い…(笑)

親子ほどの年齢差の恋って実際のところ、どういう感じなんだろう

一方で、あくまで大人目線であきらと接しようとする店長。
あきらのストレートな告白を疑ってみたり、気のせいだろうと自己完結させてみたり、逸らしてみたり。

親子ほどもある二人の歳の差を考えると、店長の対応も致し方ないですよね。
人生経験を積んだ分、勢いだけで進むわけにはいかない。

そういえば、先日レビューを書いた『言の葉の庭』は、年齢差が12歳でした。
今回の『恋は雨上がりのように』はそれをはるかに超える28歳。

果たして、二人は28歳の年の差を乗り越えられるのでしょうか。
というより、店長はあきらの恋心を最終的に受け入れるんだろうか…それすら予想がつきません。

実際、どれだけ年齢差があっても恋愛も結婚もできます。
ただ、その差が広がれば広がるほど、世間的な意味で苦労する可能性がある。
「愛があれば歳の差なんて」といいますが、28歳差となると、きっとそれなりの覚悟がいる。

今のところ、年齢を気にしている近藤と違って、高校生のあきらは年齢差を気にしているようには見えないんですよね。
自分の恋心をどう扱えばいいのかで、今は精一杯。

まだ17歳ですし、年齢差による障壁について考えられず、ただひたすら相手に想いをぶつけることしかできないのかもしれないけれど。
漫画を読み進めていくと、あきらが店長への恋心を、まるで自分だけの宝物のように、大事に大事にしているのがよく分かるんです。

他の人は気づいていないかもしれないけれど、自分にとっては一番素敵な人なのだと。
「あなたの魅力は、あたしだけのもの。」と。
自分の気持ちを素直に連ねる彼女の恋心は、とても尊い。

漫画の中の女の子とはいえ、どんな結末を迎えるのであれ。
あきらにはその純粋な気持ちをどうか忘れずにいて欲しいなあ、と願わずにはいられません。