『言の葉の庭』感想 雨と言の葉がやさしく降り注ぐ映画

今年は、インプット+アウトプットをたくさんしよう!というのが、個人的目標。
映画でもアニメでも、小説でも漫画でも、色々吸収していきたい。
そして、ブログでアウトプットしていきたいなあ。

というわけで、TSUTAYAへ行った私が借りてきた映画は、『君の名は。』で記録的大ヒットをとばした新海誠監督の作品、『言の葉の庭』。
ちなみに『君の名は。』も鑑賞済です。

雨と言葉の描写がひたすらに美しい

なんてことはない、高校生男子の理想を具現化したと言えば、そうかも。
ある雨の日に、ミステリアスで儚げな年上のお姉さんに出会って。
何気ない会話を交わすうちに、次第に惹かれあって…。

よくある、と言えばそうなのだけど…。
その心情描写が、丁寧で美しい。
小説を、映画の画面の中で読んでいるような感覚でした。

水面にぽつぽつ垂れる雨粒と、水面の波状だったり。
嵐のようなどしゃぶりの雨だったり。
降るか降らないかの、かぼそい雨だったり。

個人的には、濡れるし傘を差すのは面倒だしで、雨はあまり好きじゃないのですが。
ここまで、綺麗な映像で雨が映し出されていると、ね。
「雨って、綺麗なんだなあ…」と思いました。

感想を書こうと思って、映画を見ながら気になった言葉をメモっていたのですが、台詞が詩的というか。
無駄にごちゃごちゃしていないんですよね。

作中で万葉集の和歌が取り上げられているのですが、その和歌と同じように、そぎ落とされて厳選された言葉選びがされていて、感情表現もシンプル。
それでいて必要な言語表現はされていて、日本語が美しかったです。

二回目を観ると…

映画の後半の方では、ユキノに何があって、どんな人なのかというところがだんだん分かってきます。
最初はミステリアスなお姉さん…という印象だったのが、だんだんと人間味を帯びて感じられるのが良いなあ、と。

ああ、ユキノさんも普通の人間なんだなあ、と当たり前のようなことを思ったりしました。

『言の葉の庭』を最初に視聴した時は、心を揺さぶられたものの、「まあ、小説とかでよくある感じかな」とサラッと流してしまいそうだったのだけど。
二回目に見たときには、何だか違う雰囲気に感じました。

何故だろう?

多分、最初はタカオ視点で普通に観ていたのを、二回目はユキノの視点で観たからだと思う。
ユキノの事情を知ってからもう一度見直すと、また違った感想を持てた。

彼女の不安定さとか、タカオとの関係性のあやふやさとか、言葉とか表情だけでなくて、様々な表現で作中に表現されていて見事でした。

大きなイベントやアクシデントとかが発生して、はちゃめちゃするような、アクティブな動きやエンターテイメント性を求める人には向かないかもしれません。
そういう人には、『君の名は。』の方が向いてるかも。

とりあえず、映画の感想でも~と思って書いたら、思ったより真面目な感じで書いてしまった!
でも、そんな気持ちになるような映画。

しっとりと降る雨の日にでも是非。