『けものフレンズ』感想~圧倒的語彙不足の優しい世界、そして深まる謎

最近「けものフレンズ」というアニメがやばい、という言葉をちょくちょく見かけるので、ニコニコ動画で1・2話を視聴してみました。

今日はその感想を!

「けものフレンズ」がどんな話かというと。

ジャパリパークで暮らすサーバルが、ある日迷子の子どもと遭遇します。
子どもは自分の名前も、どこから来たのかも分からない。
子どもはサーバルに「かばんちゃん(かばんを持っていたから)」と名づけられ、自分がなんのフレンズなのかを調べるために、図書館へ向かう旅に出るのだった…。

……うん、書いていて、意味がわからない(笑)

このアニメに出てくるキャラ(かばんちゃん以外)は、日本語を話し、人間のような顔や手足と、耳やしっぽ、羽などの動物の特徴を合わせ持っています。

ちなみにサーバルとは、サハラ砂漠以南のアフリカ大陸を中心に生息するネコ科の肉食動物。
徐々に個体数が減りつつあるらしい。

サーバルの他にもカバやフェネック、アライグマ、ペンギンなどなど…。

様々な動物のフレンズ(?)が登場します。

他のキャラクターも大体そんな感じ。

まずは導入部分のインパクトに耐えられるかが問題

導入部分からこの世界観を受け入れられるかが試されます。

「わああああああああああああ」
「わあああーーい!」
「みゃああーみゃあああああーーー!」

冒頭から、サーバルにめちゃくちゃ追いかけられている迷子の子ども(かばんちゃん)。
サーバルが走りながら上記のように色々叫んでるんですが、…野性味がね、溢れててね。

すごいです。唖然としました(笑)

野生動物がサバンナで獲物を見つけたら、こんな風に嬉々として襲っちゃうのかしら。
「やったーーーえさだーーーーたべちゃうよーーーわーーーーーい!!!」みたいな。

(ただし、「けものフレンズ」のサーバルはあくまで、狩りごっこをしていただけで、かばんちゃんを食べる気は無かった模様)

予想外の空気感にやられて、最初の1、2分でギブアップの人もいると思います。

「あなた、狩りごっこが好きじゃないけものなんだね」
「あなたこそ、しっぽと耳がないフレンズ?めずらしいね!」
「どこから来たの?なわばりは?」

人間らしき子どものかばんちゃんに、立て続けに謎の台詞を投げかけるサーバル。
見ている視聴者もかばんちゃんと同じく、困惑しつつこの世界観を受け入れるしかありません。

何だかんだで、かばんちゃんが何のフレンズかどうかを調べるために、サーバルが図書館までの道を途中まで案内してくれることに。説明もあまりなく、独特の世界観のまま、まったりほのぼのと進んでいきます。

素直過ぎる感情表現に、見る側も「うわーーーー」ってなる

けものだからか、言葉づかいが独特。(特にサーバル)

「うわーーーーみずだーーーーー」
「おいしーーい」
「たのしーーーーー」
「うわはははは」

けものだからね!人間じゃなくてフレンズだから?もうよく分かりません。
語彙力の無さが前面に出た台詞回しが斬新すぎて。
無意識に、台詞を文字に起こすときに「ひらがな」を使ってしまう…。

ただ、サーバルは素直な子どもみたいで可愛いです。
語彙は貧弱だけど、プラス思考で感情表現がストレートなので。邪気が無くて可愛らしい。

人間はたくさん考えて、考え過ぎながら生きていく生き物なので。
「おいしーーい」とか「たのしーーーーーー」とか、疲れたときに言ってみると、うっかり元気になってしまう、気がする。
純粋すぎる感情表現って、案外忘れてしまいがちなので。

ほのぼのから一転、エンディングが怖すぎる

まあ、そんなこんなで意味不明な世界観ながらも、視聴者が徐々に適応していく中。
2話目からのエンディングを観て唖然。

曲はいいんです。「ぼくのフレンド」という曲なんですが、歌声もかわいらしくてさわやか。
問題は流れている映像。

廃墟の遊園地らしい静止画が、淡々とスライドショーで映されていくんですが。しかも白黒。

ええー………?(一歩引き気味で)

立ち込める不穏な雰囲気。

このアニメ…本編でもそうなのですが、時々ひやりとするような…何ともいえない感じがあるんですよね…。

元気で明るいサーバルと、次々と出てくるフレンズたちとの交流は、見ていて大変微笑ましいのですが……。
そんなフレンズたちの中で、明らかに異質な存在のかばんちゃん(人間)。

そもそも、ジャパリパークって何なんだろう?
フレンズたちからボスと呼ばれるラッキーラビットって何?
ラッキーラビットの声優の名前がわざわざ「???」と隠されているのは何故?

見ているうちに、この世界の謎が気になってしまい。
これは、100万回再生も納得。よくできてるなあー。

人間社会に疲れた心に、サーバルちゃんの優しさがしみる

世界観は意味不明だし、語彙は謎だし、ところどころ不穏なのですが。

基本はほのぼのとした雰囲気ですし、時々心にしみる台詞があるのが良いんですよね。

例えば。
身のこなしの軽いサーバルと違って、高いところから降りたり、水辺の石をぴょんぴょん飛び越えられないかばんちゃんに対して。

「ごめんなさい」と謝るかばんちゃんに、サーバルはさらりと、
「平気平気!フレンズによって得意なこと違うからー」
と笑顔でフォロー。

「かばんちゃんはすっごいがんばりやだから、きっとすぐ何が得意かわかるよ!」

……………。

多分、この辺から、視聴者の心の隙間にあたたかい何かが入り込んできます。
不意打ちなので、余計に。

人間社会で疲れた心には、サーバルちゃんの曇りのない優しさや明るさが身に沁みます……。

そして、サーバルちゃんの耳がピクピクって…可愛い。なんなの。

アプリ・漫画が終了した後にアニメの人気が爆発

「けものフレンズ」のアニメ自体は、「けものフレンズプロジェクト」というメディアミックスプロジェクトのひとつでして。アニメ以外にも、iOS/Androidアプリがリリースされたり、少年エースでマンガが連載されたり、ラジオ放送されたりと、複数展開されています。

ただし、アプリも漫画も、アニメの人気が爆発する前に終了してしまうというタイミングの悪さ。(スマホアプリ→2016年12月14日にサービス終了、漫画→2017年3月号で連載終了)
ラジオも毎週放送から隔週放送に変更されるということですし、元々アニメ放送が何事も無く終了したら、ひっそりとプロジェクト自体をフェードアウトする流れだったのでしょうか。

そうであれば、なんだか切ないなあ。

まとめ

突然人気が爆発した「けものフレンズ」。
よくある子ども向けアニメとは違う何かが散りばめられていて、色々ツッコミどころも多いし、何だかもうよく分からないんだけど……。

わーーーい!きーになるーーー!(←語彙不足!!)

※追記:続きの感想も書きました。
『けものフレンズ』7話まで見た感想~適材適所と考える力